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上澤 伸一郎; 小野 綾子; 小泉 安郎; 柴田 光彦; 吉田 啓之
第55回日本伝熱シンポジウム講演論文集(USB Flash Drive), 8 Pages, 2018/05
核沸騰による高効率除熱には限界があり、その限界熱流束(CHF)を超えると冷却体伝熱面温度は急激に上昇し、伝熱面が焼損することが知られている。その発生機構解明において、伝熱面上の乾き面の形成が主要因であることは示唆されているが、金属伝熱面における乾き面の動的挙動は明らかにされていない。本報では、水深を浅くしたプール沸騰実験を実施し、沸騰面上部から乾き面の目視観察と銅面裏側から赤外線カメラを用いた伝熱面温度瞬時分布計測の実施によって、伝熱面上で乾き面が形成後、乾き面周囲への熱伝導量上昇に伴う沸騰活性化による高熱流束域形成により液損耗が激しくなり、乾き面が拡大し、ついにはCHFに至ることを明らかにした。
Liu, W.
第20回動力・エネルギー技術シンポジウム講演論文集, p.391 - 392, 2015/06
軽水炉の安全性評価のためには、限界熱流束の評価が重要であるが、炉心内強制流動サブクール沸騰条件での限界熱流束の予測手法は確立されていない。本研究では、PWR炉心に対する強制流動サブクール沸騰条件での限界熱流束予測手法確立の一環として、炉心燃料集合体を簡略化した二重管を対象として、強制流動サブクール沸騰限界熱流束の予測手法を検討した。Nouriによる二重管内液相速度分布式をLiquid sublayer dryoutモデルと組み合わせることにより、水及びR113を試験流体とした既存実験データを20%程度で予測できることを確認した。
杉山 智之; 更田 豊志
Journal of Nuclear Science and Technology, 41(11), p.1083 - 1090, 2004/11
被引用回数:10 パーセンタイル:55.72(Nuclear Science & Technology)反応度事故(RIA)条件下で被覆管表面予備酸化膜が燃料棒の冷却性に及ぼす影響を調べた。照射済燃料棒の表面では膜沸騰遷移(DNB)が抑制され、またクエンチが早く生じるため、結果的に未照射燃料棒よりも冷却性が高いことがNSRR実験により示されてきた。沸騰遷移に影響を与え得る要因を考察した後、最も可能性が高いと考えられる表面予備酸化膜の影響について、未照射燃料に対するパルス照射実験により検証を行った。被覆管表面の条件としては、酸化膜無し,1ミクロン及び10ミクロン厚酸化膜付の3通りを用意した。温度計測結果により、酸化表面では温度及び燃料エンタルピに関するDNB発生しきい値が上昇し、同時に、クエンチ発生温度が上昇することで膜沸騰継続時間が短縮されることが示された。これら限界熱流束点及び極小熱流束点の変動は表面ぬれ性の増大により起こり得る。本実験においては、酸化膜の厚さではなくその有無が結果を左右していることから、酸化時の表面粗さ増大ではなく、酸化による化学ポテンシャルの変化が表面ぬれ性に影響を与えたと考えられる。
呉田 昌俊; 秋本 肇
Nuclear Technology, 143(1), p.89 - 100, 2003/07
被引用回数:10 パーセンタイル:56.43(Nuclear Science & Technology)低減速スペクトル炉の炉心は、三角格子状の稠密な燃料棒配列であり、高ボイド率条件で運転する特徴を有する。このため冷却限界の評価が重要な課題である。そこで、低減速スペクトル炉の基礎的な限界出力特性を評価する目的で限界出力実験を実施した。本報では、質量速度等パラメータが限界出力に及ぼす影響と、熱設計に用いてきた限界出力計算式の評価結果、そして本データと準稠密バンドル体系のBAPLデータを用いて導出した新限界出力相関式に関して報告する。本実験により、稠密炉心における質量速度,入口水温,出口圧力、そして径方向熱流束比の限界出力に及ぼす影響を明らかとした。また、熱設計に用いてきた限界出力計算式(Arai式)が限界出力を過小に計算することを示した。新相関式は、371点の原研・BAPLデータに対して4.6%の誤差で軸方向に一様発熱している稠密バンドルの限界出力を計算できる。
呉田 昌俊; 秋本 肇
日本機械学会論文集,B, 69(682), p.1469 - 1476, 2003/06
低減速スペクトル炉の熱的成立性を評価する目的で、軸方向の発熱が一様な稠密三角格子バンドル試験体を用いて限界出力実験を行った。本報では、流動パラメータが限界出力へ及ぼす影響を明らかとし、限界クオリティを計算する無次元相関式を本実験データとBAPLデータを用いて導出した。用いた試験体は低減速スペクトル炉の燃料棒7本分の領域を模擬した形状であり、低減速スペクトル炉の定格運転条件を広く包含する実験条件で約400点の限界出力データを系統的に蓄積した。導出した無次元相関式の計算精度は、371点のデータに対して4.6%である。本相関式の適用範囲は、棒間間隔が12.3mm,質量速度が1002500kg/(ms),圧力が28.5MPa,周方向ピーキング係数が11.5,発熱棒数が720本である三角格子配列のバンドル流路である。
門出 政則*; 光武 雄一*; 石田 賢治*; 日野 竜太郎
JAERI-Tech 2003-013, 56 Pages, 2003/03
次世代原子力機器での100MW/mオーダーの超高熱流束除熱技術の確立を目的として、高サブクール衝突噴流冷却による超高限界熱流束の実現の可能性を実証するための実験的研究を、噴流速度5~60m/s,系圧力0.1~1.0MPa,噴流サブクール度80~170Kの範囲で行った。その結果、限界熱流束の最大値として、圧力0.5MPa,サブクール度151K,噴流速度35m/s,加熱面長さ5mmの条件で212MW/mが達成された。なお、大気圧条件下の限界熱流束は、気液界面での気体分子運動論に基づく理論上の最高熱流束の48%まで到達し、従来の最高値30%に対して60%も向上できた。本研究の結果、衝突噴流による超高熱流束冷却の実現の可能性が示された。
呉田 昌俊; 日引 俊*; 三島 嘉一郎*; 秋本 肇
International Journal of Heat and Mass Transfer, 46(7), p.1171 - 1181, 2003/03
被引用回数:13 パーセンタイル:49.26(Thermodynamics)ボイド率と沸騰開始点の実験データ及びシステムパラメータの影響評価が、高熱流束限界熱流束予測モデルの検討を進めるうえで必要であった。そこで著者は、中性子ラジオグラフィ高速度撮像法によるボイド率計測技術を開発し、サブクール沸騰流の瞬時ボイド率及び時間平均ボイド率を計測し、ボイド率データベースを蓄積してきた。本研究では、瞬時ボイド率の計測結果から瞬時及び時間平均の沸騰開始点を求め、システムパラメータが沸騰開始点での熱平衡クオリティに及ぼす影響を評価した。評価の結果、システムパラメータの影響が小さいことがわかった。次に、既存の沸騰開始点評価式の短加熱長矩形流路への適用性を検討し、既存の評価式は沸騰開始点での熱平衡クオリティを過小評価することを示した。また、沸騰開始点の評価が限界熱流束モデルによる限界熱流束予測に及ぼす影響を試算し、予測精度が向上することを示した。
中野 佳洋; 石川 信行; 中塚 亨; 岩村 公道
JAERI-Conf 2002-012, 219 Pages, 2002/12
日本原子力研究所(原研)では、革新的原子炉として低減速スペクトル炉の研究を進めており、最新の研究成果を報告するとともに、所内関連部門の研究者及び大学,研究機関,電力会社,原子力メーカー等の所外研究者との情報交換を行い、研究の効率的推進に資する事を目的として、「低減速スペクトル炉に関する研究会」を平成9年度より毎年開催している。第5回となる平成13年度は、日本原子力学会北関東支部との共催で、平成14年3月8日に開催し、95名の参加者があった。まず原研における低減速スペクトル炉研究開発の現状として、「低減速スペクトル炉の研究開発の現状と展望」,「低減速炉心の設計研究」,「MOX燃料の安全解析」,「稠密炉心の限界熱流束実験」の4件の発表があった。続いて革新的原子炉を巡る内外の動向として、「革新的中小型炉検討の意義について」,「第4世代を中心とする革新炉技術開発戦略」,「実用化戦略調査研究フェーズ2の状況」の3件の発表があった。本報告書では、講演論文,講演に対する質疑応答の概要を掲載するとともに、付録として研究会当日に発表者が使用したOHP資料及び研究会プログラム,参加者名簿を掲載した。
呉田 昌俊
JAERI-Conf 2002-012, p.47 - 52, 2002/12
低減速スペクトル炉の除熱限界を評価する目的で実施した限界熱流束実験の結果と検討,そして除熱限界を決定する沸騰遷移現象に関して報告する。低減速スペクトル炉の炉心は、三角格子状の稠密な燃料棒配列であり高ボイド率条件で運転する特徴を有する。このため冷却限界の評価,すなわち熱的成立性の検証が重要な課題であった。一連のPWR体系及びBWR体系で実施した限界熱流束実験により、熱設計に用いてきた限界出力計算式や解析コードが保守的に評価し、炉心熱設計が妥当であることを検証した。次に、沸騰遷移現象を限界クオリティと質量速度の関係から3つの領域に分類し、壁温上昇開始位置がその領域の境界で変化することを示した。また、サブチャンネル解析コードによる実験解析の結果、高クオリティ領域では実験値と近い計算値となることを示した。最後に、中性子ラジオグラフィによるモデル実験の結果を紹介し、沸騰遷移現象の理解に関して報告する。
杉山 智之; 更田 豊志
IAEA-TECDOC-1320, p.102 - 110, 2002/11
燃料棒被覆管表面の酸化が、反応度事故条件下における燃料棒の冷却性に及ぼす影響について論ずる。NSRR実験では照射済燃料実験の方が、未照射燃料実験より低い被覆管表面温度を示してきた。その原因の一つとして、照射済燃料の被覆管外表面に生成されていた酸化膜が伝熱を増大させた可能性が挙げられた。この仮説を実証するため、表面酸化膜なし,酸化膜厚さ1m及び10mの3種類の燃料棒を用いてパルス照射実験を行った。被覆管表面温度の過渡測定より、酸化膜付被覆管では限界熱流束及び最小熱流束がともに増大することを明らかにした。これらの挙動において酸化膜厚さ1mと10mの燃料棒で顕著な違いがなかったことから、酸化膜の効果はその厚さではなく有無に依存すると考えられる。
呉田 昌俊; 秋本 肇
International Journal of Heat and Mass Transfer, 45(20), p.4107 - 4115, 2002/09
被引用回数:44 パーセンタイル:80.92(Thermodynamics)本研究では、片面加熱狭隘矩形流路における高熱流速限界熱流束実験を行い、狭隘流路内サブクール沸騰流用無次元限界熱流束相関式を提案することを目的とした。まず、片面加熱狭隘矩形流炉用無次元相関式を、各種パラメータの限界熱流束に及ぼ影響を整理しなから導出した。従来の限界熱流束予測式を片面加熱狭隘矩形流路へ適用した場合と比べて、計算精度が2~10倍程度改善できた。次に、得られた式の両面加熱狭隘矩形流路,半周加熱小口径鉛管,全周加熱小口径鉛管への適用性を検討し、各種狭隘流路に対して限界熱流束を統合的に評価できる式を提案した。
呉田 昌俊; 秋本 肇; 山本 一彦*; 岡田 祐之*
Proceedings of International Congress on Advanced Nuclear Power Plants (ICAPP) (CD-ROM), 7 Pages, 2002/00
低減速スペクトル炉の炉心は、三角格子状の稠密な燃料棒配列であり、BWR型炉は高ボイド率条件で運転する特徴を有する。このため冷却限界の評価、すなわち熱的成立性の検証が重要な課題であった。そこで、BWR型低減速炉スペクトル炉の除熱限界を評価する目的で限界熱流束実験を実施した。本報では、質量速度等パラメータが限界出力に及ぼす影響と、熱設計に用いてきた限界出力計算式の評価結果に関して報告する。本限界熱流束実験により、燃料棒間ギャップが1.0mmである稠密炉心における質量速度,入口水温,出口圧力,そして径方向熱流束比の限界クオリティに及ぼす影響が明らかとなった。また、熱設計に用いてきた限界出力計算式(Arai式)が保守的に評価し、炉心熱設計が妥当であることを検証した。
木下 秀孝; 寺田 敦彦*; 神永 雅紀; 日野 竜太郎
JAERI-Tech 2001-061, 43 Pages, 2001/10
陽子ビーム窓やセーフティハルの構造設計では、冷却水量を低減して中性子吸収量を抑制する観点から、低流速の狭隘流路構造とする必要がある。低流速で高熱伝達率を維持するために、製作性の良い2次元リブ付き流路に着目して、安全性にかかわる限界熱流束(CHF)を調べる実験に着手した。本報では、従来のリブ付き流路における熱伝達特性をまとめ、さらに、実験装置の概要と予備実験の結果を報告する。予備実験では、リブのない流路に対して壁面摩擦係数は約3倍,熱伝達率については約2倍の値を得、限界熱流束は従来のモデルとほぼ同一の値を示した。
江里 幸一郎; 鈴木 哲; 佐藤 和義; 谷口 正樹; 花田 磨砂也; 荒木 政則; 秋場 真人
Fusion Engineering and Design, 56-57, p.291 - 295, 2001/10
被引用回数:14 パーセンタイル:68.97(Nuclear Science & Technology)核融合炉プラズマ対向機器の冷却を目的として、鋸歯状内部フィン付き矩形管の限界熱流速測定実験を行った。この矩形管では、加熱面側に鋸歯状に三角柱のフィンを取り付けて、伝熱性能の向上を図っている。実験では、フィンの形状・特に設置角度やフィン高さが限界熱流速へ及ぼす影響を調べた。今回の実験パラメータはフィン寸法高さを1.7と3.5mm、フィン設置角度を流れ方向に対して70と90度である。実験の結果、フィン高さ3.5mm、設置角度70度の矩形管を用いた場合、軸流速10m/sec、局所圧力1MPa、入口温度25の冷却条件で43MW/mの限界熱流速が得られた。この値は、同冷却条件において、ほぼ同一水力等価直径のスロット状のフィンを有する矩形管(ハイパーベイパトロン)の1.3倍の値であった。
呉田 昌俊; 秋本 肇
日本機械学会論文集,B, 67(662), p.2550 - 2557, 2001/10
核融合炉中性子工学研究用中性子源(FNS)の回転ターゲットや核破砕中性子源の固体ターゲットは、冷却流路として狭隘な矩形流路が検討されており、流路の片面から大強度のビーム入射がある高熱負荷機器である。これらの機器の最適設計を行ううえで狭隘矩形流路内のサブクール沸騰限界熱流束を適切に評価することが重要である。本研究では、片面加熱狭隘矩形流路における高熱流速限界熱流束実験を行い、無次元限界熱流束相関式を提案することを目的とした。本報では、片面加熱狭隘矩形流路の無次元相関式を導出した。従来の限界熱流束予測式を片面加熱狭隘矩形流路へ適用した場合と比べて、計算精度が2~10倍程度改善できた。次に、得られた式の両面加熱狭隘矩形流路,半周加熱小口径円管,全周加熱小口径円管への適用性を検討し、各種狭隘流路に対して限界熱流束を統合的に評価できるように検討を加えた。
大久保 努; 岩村 公道; 秋本 肇; 新谷 文将; 大貫 晃; 山本 一彦*
第7回動力・エネルギー技術シンポジウム講演論文集 (00-11), p.250 - 253, 2000/11
将来型原子概念の一つとして、これまで培われてきた軽水炉技術をベースとしつつ、それを大幅に高度化した将来型水冷却炉である低減速スペクトル炉(RMWR)の検討を進めている。具体的には、ウラン/プルトニウム資源の有効利用による長期的エネルギー供給等を目指し、水冷却炉でありながら高速増殖炉の性能に迫る概念を検討している。これまでに、1以上の転換比と負のボイド反応度係数を有するいくつかの炉心概念を創出し、その詳細化を進めてきた。本報では、これらの研究の内容に関し、熱水力学的な検討を主として述べる。RMWRにおける熱水力学的な課題として、稠密な燃料棒配列の炉心における限界熱流束があり、これまで不足していた領域における実験データの取得とともに、それを用いた設計の評価を進め、定格運転時及び異常時に対して設計の妥当性の確認を行っている。
大久保 努; 新谷 文将
Proceedings of International Workshop on Current Status and Future Directions in Boiling Heat Transfer and Two-Phase Flow, p.177 - 181, 2000/00
稠密格子燃料棒配列で構成される新型の水冷却炉である低減速スペクトル炉の設計においては、そのような稠密格子配列における限界熱流束に対する評価手法を検証することが必要である。しかし、このような稠密格子配列における限界熱流速データは十分とは言えないことから、PWRと同じ運転圧力条件である15.5MPaの高圧力下において限界熱流束実験を実施している。本実験では、外径9.5mmの発熱棒7本を用いて、発熱棒間の間隔が0.6,1.0及び1.5mmのケースに対して実験を行っている。本報では、これらの実験の結果及びそれに対する検討を示す。また、既存の相関式とサブチャンネル解析で得られた局所流動条件を用いた評価と実験データとの比較を示す。
not registered
JNC TN1400 99-016, 171 Pages, 1999/08
機構は、大学及び研究機関(以下「大学等」という。)との研究協力の推進を図るため、平成7年度から先行基礎工学研究協力制度を発足させた。同制度は、平成10年度で4年目を迎え、研究協力テーマが増加し、順調に推移している。同制度は、機構の施設及び設備を主に利用し、機構が取り組むプロジェクト研究に先行した基礎・基盤的研究を大学等との研究協力により推進することを目的とする。同制度は、機構が設定した研究協力テーマに対して、大学等からの研究協力課題及び研究協力者の応募をもとに、研究協力課題及び研究協力者を選考し、大学等との共同研究の実施、客員研究員あるいは研究生の受け入れ、もしくはこれらの組み合わせにより研究協力を実施している。本報告書は、平成10年度に実施した高速増殖炉関係及び環境技術関係の先行基礎工学分野に関する34件の研究協力課題の実施結果についてその概要をまとめたものである。なお、34件の研究協力課題のうち、高速増殖炉関係の9件及び環境技術関係の3件の合計12件については、平成10年度で終了した。
呉田 昌俊; 秋本 肇
Proceedings of 7th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-7) (CD-ROM), 8 Pages, 1999/00
大強度中性子源用核破砕固体ターゲットの冷却流路等高熱負荷機器の熱工学設計と関連して、片面加熱矩形流路内垂直上昇流の限界熱流束計測実験を実施し、システムパラメータの限界熱流束への影響を調べた。現在までに報告されている高熱負荷限界熱流束研究の多くが円管流路で得られた実験結果を基礎としており、高熱負荷機器の多くで採用される狭間隙短加熱長矩形流路内限界熱流束の予測法は実験データの少なさもあり確立されていなかった。そこで、本研究では矩形流路内限界熱流束研究の第1ステップとして実験結果と従来の予測法による計算値の比較を試み、従来の予測法の矩形流路への適用の可能性を検討した。検討の結果、数土モデル、Griffel相関式、Bernath相関式が、短加熱長・低入口水温条件下で得られた実験結果と良く一致する傾向があることがわかった。
呉田 昌俊; 秋本 肇
Proc. of 6th Int. Conf. on Nucl. Eng. (CD-ROM), 13 Pages, 1998/00
大強度陽子加速器ターゲットなどの高熱流束負荷機器開発と関連して、片面加熱矩形流路内でのバーンアウト熱流束の把握が重要な課題となっている。本研究は、片面加熱矩形流路内を高速流速、高サブクール度の水を強制流動させた場合の、バーンアウト熱流束に及ぼす各種流動パラメータの影響を明らかにすること、また、現象論的バーンアウトモデル構築の第一ステップとして高熱負荷時の沸騰様式を観察し整理することを目的とした。本実験では、数百点のバーンアウトデータを系統的に蓄積した。得られたバーンアウト実験結果から、流路幅や入口水温等各種パラメータがバーンアウト熱流束に及ぼす影響を明らかにした。また、高熱負荷加熱面上を高速に生成・移動するサブクール気泡の流動様式を写真観察し、観察結果をもとに、流動様式を3タイプに分類した。そして、得られた実験結果と円管用に提案されているバーンアウトモデルによる計算結果を比較し、適用の可能性を検討した。